2016年3月17日

「おいしい小説と空色のバッグ」の料理とお菓子

小さな頃からおいしそうな描写が出てくる本が大好き。
お気に入りの場面は特に熱心に読み返す食い意地がはった子供でした。
『ちびくろさんぼ』の虎のホットケーキ、『バーバヤガー』のカブのシチューといった絵本から始まって、『おおどろぼうホッツェンプロッツ』のどろぼう料理、『大草原の小さな家』の干し肉やハム、『チョコレート戦争』のエクレア。
大人になってからは『キッチン』のカツ丼、『檀流クッキング』の鰹のタタキやピクルス。
『鬼平犯科帳』の鯉の洗いや菜飯、ヘミングウェイの長編に繰り返し出てくるそっけないほどシンプルな肉料理に心躍らせていました。

ザクロカレー

写真・加藤新作 スタイリング・中里真理子

小川糸さんのベストセラー『食堂かたつむり』に登場する料理を映画・書籍の両方で手がけてからというもの、物語に登場する料理のレシピを作る機会を、仕事として度々いただくようになりました。
毎回どっぷりと世界に入って、その本から香りたつ色合いや空気感を感じながら
ああかなこうかなと試作を重ねるのは、毎回楽しくて仕方ありません。
夢のようにおいしそうに表現されている場面を形にするのはプレッシャーも大いにありますが、それ以上にわくわくします。

今回の企画展では、薄井ゆかりさんのバッグにぽんと入れて足取り軽やかに出かけたくなる、そんな小説や物語の料理を日替わりのコースとしてお出しします。

テーマとなる物語とメインディッシュ、こんな感じです。
小説の世界観を大事にしながらも、ただ忠実に再現するのではなくて自分たちらしい解釈が出来たらなと考えています。
※仕入れの状況などでメニューは変わることもあります。ご了承ください

  • 24(木) 村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』 ローストビーフサンドイッチ
  • 25(金)・26(土) 小川糸『食堂かたつむり』 ざくろカレー
  • 27(日)・30(水) ローラ・インガルス・ワイルダー『長い冬』(大草原の小さな家シリーズ) パンケーキと自家製ハム
  • 28(月)・29(火) アイザック・ディネーセン『バベットの晩餐会』 うずらのパイ

チーズケーキ

デザートも各日、本に出てくるお菓子をご用意する予定です。
会期の半分は素晴らしいお菓子を作るパートナーがカモシカにやって来て、一緒に台所に立ってくださいます!

初日の24日はfoodmood・なかしましほさん。
村上春樹さんの短編集『カンガルー日和』の「チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏」に登場する、こっくりと濃厚なチーズケーキ。
28&29はfoodremedies・長田佳子さん。
『バベットの晩餐会』の〆を飾るデザート、しっとり上品なサバランを作ってくださいます。写真を見るだけでため息が出ます。早く食べたいなあ…。

savarin

コーヒーはcoffee Kajitaさん・紅茶はTEALABO tさんが、今回も企画にあわせてブレンドをしてくださいます。
どんな世界に連れていってもらえるのか、私たちもとっても楽しみにしています。
色気あるお菓子とぴったりのグラスワインもご用意しておきますね。

お食事の時間は12:00/13・30の2回、各時間帯10名さま。
ご予約はいつも通り、当日の朝10時からお電話にて受け付けます。
15時からのお茶とお菓子の時間は、ご予約不要でご来店順にご案内します。
もちろん、しほさん佳子さんの日はそれぞれのお菓子をお召し上がりいただけますよ。

みなさまのご来店をお待ちしています!


3月のカモシカ 薄井ゆかり個展「おいしい小説と空色のバッグ」
2016年3月24(木)-30(水)
12:00-18:00(最終日は16時まで)
薄井さん在廊日 3/24・26

  • カモシカの地図と連絡先はこちらです。http://okaz-design.jp/kamosika/map.html
  • 靴をぬいで店内に入っていただく空間です。古い家屋で足元が冷えやすいので、あたたかな服装でおいでください
  • 食事席は8席、17時ラストオーダーです。混雑時は長くお待ちいただくこともあります。ご予約は当日の午前10時より電話にて受け付けます(回線が混みあい電話がつながりにくい日もあります)