2011年3月31日

4月のカモシカ・エプロン編

地震があってから、色々なことを考えています。
もの作りにとって今まで以上に厳しい環境になると思う一方で、見た目と中身が伴った本当にいいものが必要とされる流れが来ているのではないか。そんな風にも感じています。
いいものを必要な時に買う。同時に不必要なものは手放し、まだ使えるものは譲っていく。
使い込むほど味が出てよくなっていくものが、最小限ある生活。
4月のカモシカ企画も、そんな流れの一端を担えたらと思っています。

なんて覚悟をしているうちに、あと1週間たらず。
まずはなんといっても、今回の主役であるエプロンをご紹介します。

さりげないのに実に丁寧に作られていて、着込むほど風合いがよくなっていく+CAPSULEさんの服。
うちのユニフォームをいつか作ってもらえたらいいなーと勝手に妄想していたところ、巣巣さん介して出会うことが出来ました。そして、なんと本当に作っていただく流れに。
その時にオカズが出した要望は、大体こんな感じ。

・シンプルで上質なもの
・老若男女に似合う
・下半身だけでなく、上半身もきちんとカバーする
・足さばきの良さやポケットの大きさなど、機能面を重視
・首がこるなど、体に負担がないもの
・着込むほど風合いがよくなっていく
・どこかにほんのり遊びがある

いやー、本当に難しいお願いをしたと思います。
しかし見事に応えてくださり、理想通りのリネンエプロンを作っていただきました。
普段の仕込みはもちろん、結婚式の出張料理のような場でも使いこなせる、丈夫かつ品がよい素晴らしい作業着です。
作ってから2年たったこともあり、若干の改善とバリエーションを加え、晴れのお披露目となりました。

色は白とキナリの二色で、上の写真はどちらも白。台所によく似合います。
男性がワンピースタイプ。DMで着ているのもこちら。
女性が着けているのがギャルソンエプロンで別売りのベストもあり、組み合わせてもかっこいいです。
これらは今回のオリジナルですが、他にも+CAPSULEさんが手がけられたエプロンや、定番のエプロンワンピースもそれぞれ数種類ご用意。
頭にまく布も、さまざまな色のくみあわせがあります。
さわっているだけで心地いい、長くつきあっていける一生物の台所着。
ぜひ手に取って見ていただけたらうれしいです。

今回の企画では、売上の一部を東日本大震災の義援金として寄付をさせていただきます。
金額や振込日は企画終了後、おって当ブログでご報告します。
たくさんのご来店、お待ちしています。

2011年3月29日

4月のカモシカ

お待たせいたしました!
1年ぶりの台所アトリエ・カモシカでの企画「ボーダーシャツとエプロン」。
台所によく似合う服と、キッチンクロスなど台所まわりの布物の展示受注会です。
今回ご一緒するのは、オカズデザインのユニフォームを作ってくれている+CAPSULEさん。

これから数回にわけて企画内容をご紹介してきますが、まずはDMをお披露目。
写真はキッチンミノル、モデルはオカズデザイン森影。
森影本人がデザインも担当しました。
自作自演と笑われていますが、なかなかかっこいいDMです。

ボーダーシャツとエプロンDM 裏

ボーダーシャツとエプロンDM 表

2011年3月24日

魚が好きだ

築地で生鮮品が売れず、深刻な状況になっている。
特に魚。理由は日持ちがしないから。
ならばと大量に鰯を仕入れ、友達と保存食を作ることにしました。
たくさん出来たらあちこちに送れるし、地震以来会っていなかった友達の顔も見たかったのです。

前日に声をかけたにも関わらず、20人集合。
10キロの背黒鰯はアンチョビとオイルサーディンに。
2キロのミニトマトは天日で干してセミドライトマトに。
10束のルッコラは落花生やハードチーズとあわせペーストに。
瞬く間にどんどん仕込まれていった。
なんてことない会話をしながら料理を作り、みんなで食卓を囲む。
なんて素敵なことなんだろう。発案者の山崎宏さんに感謝!

築地で仕入れたセグロイワシ

手を動かして大勢でなにかを仕込むのは楽しいし、なんだかほっとした。
これから定期的に魚保存食作りをカモシカでやりたいなーと思っていたら、今週になって放射能による食品汚染の風評が流れ出す。
海まわりにとってますます厳しい状況になってきた。
出汁の材料、昆布やかつお、煮干しだって海産物ですよ。
それに、お米をはじめあらゆる農作物は日本人には欠かせない。
野菜が好きだ。魚が大好きだ。
ゆるやかにでも何か恩返しできないだろうかと、来年スタート予定の新連載に魚料理を提案してみたけど、残念ながら通らず。
安心して食べてもらえるためになにが出来るか、引き続き考え中。

今週末は巣巣さんのチャリティーマーケットに参加予定です。
ほうろうのコーヒーポットやガラスのフードカバーなど、台所もの中心に出品。
田坂さんの無農薬レモンで仕込み、3ヶ月熟成させておいたレモネードも召し上がっていただけます。
野良かと思うくらい素朴で、みずみずしくのびやかなレモンそのまま、涙が出そうになるくらいやさしく力強く仕上がっています。
ゆっくりいいもの探しながら、温まっていただけたらうれしい。

4月に開催予定の台所アトリエ「カモシカ」でのイベントも、被災地のお役に立てたらと考えています。
ほっとする時間と空間にできるよう奮闘中。
ここ数日中に詳細をお知らせします。

2011年3月13日

東京に戻りました

松本で地震にあいましたが、昨日東京に戻りました。
オカズ3人も事務所犬そらまめも、みんな元気です。
みなさまは大丈夫ですか?
余震が続いていますので、くれぐれもお気を付けください。
わが家も、避難や停電・断水に備えているところです。
マンションの炊き出し用の大釜も、倉庫から運び出されてました。
秀治は太陽光パネルを何やらする係に任命され、せっせと動いています。

松本に行っていたのは三谷龍二さんのお店「10cm」のオープニングパーティに伺ったため。
翌日帰る前に、木下宝さんと蕎麦を食べている最中に地震。
経験したことのない、長く大きな揺れでした。
駅に向かったら電車が全て止まっていたものの、1~2時間すれば復旧するかとのんきに構えてました。
秀治が咳が続いてて気になっていたので、こういう動けないときにこそと駅前の病院に行ったくらいです。

咳は軽い炎症ということで問題なかったのですが、病院のテレビを見て呆然。
あわてて10cmに戻り、三谷さんや宝さん、まだ松本を発っていなかった方達と合流しました。
夜は大勢で地震速報を見ながらご飯を食べ、不安ながらも心強かったです。
朝4時ごろ長野で大きな地震があり、これは数日戻れないかも…と覚悟しはじめましたが昼間に電車復旧、夕方に帰京。
カモシカは古い家なので心配していましたが、ガラス瓶が数個割れたくらいで、ぴんしゃんしてました。
自宅はまったく問題なし。

家族や友人も、それぞれ被害にあいながらも、みんな元気。ひとまずほっとしています。
東北、まだ余震が多い千葉や茨城の友人のことが気にかかります。
それにしても、三谷さん、伊藤まさこさん、井藤昌志さんご一家には連日とてもお世話になりました。
私達もそうしていただいたように、こんな時だからこそ助け合えたらと思います。

「みんなでご飯を食べると節電・節水になり、情報も共有できて、何より励まされる」
とツイッターにありましたが、本当にそうだ。
まず大切なひとのために、料理しよう。みんなで食べよう。
今夜は近所の友達を誘って、大勢で食卓を囲もうと思います。

2011年3月7日

三月の雪

一月ぶりの更新です。
この間、本当にたくさんのことがありました。
NHK「てっぱん」の本編がクランクアップ。
オカズ初連載の『In Red』「台所ことこと」が終了。
また、療養中の秀治父が逝去しました。
たくさんのことを悔やみ、感謝し、やっと最近落ち着いてきたところです。

てっぱん終わって気が抜けたのではと色んな方から聞かれますが、まだ絶賛放映中だし、関連する仕事も色々続いていて、いまいち終わった気がしないのです。
そうそう、NHKの2分番組・プレマップで、「きつねうどん」と「玉子丼」の作り方が繰り返し登場していますが、近々また新しい料理が追加されます。楽しみ。
放映日時決まったら、またお知らせします。

4月は久しぶりに台所アトリエ・カモシカでイベントを開きます。
これまた近日中に内容をアップしますので、どうぞお楽しみに。